第二話 変化、されどまだ日常は続く
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また夢を見る。
目の前に広がるのは真っ白な神殿。
そこには砂漠を歩いていた男がたたずんでいる。
男はある一点を睨めつけたまま動かない。
彼は何を見ているのだろうか、その視線をおっていく。
そして、はっとした。彼の睨めつけているのは一人の少女。だが、その少女が普通じゃなかったのだ。
別に手が四本あったり、下半身が蛇なわけではない。ただ、あまりにも少女は美しすぎた。
本物の銀の様に光り輝く長い腰まである銀髪に、何もかも射ぬきそうな真っ赤な瞳。
あごのラインはきれいな線を描き、唇はつややかで形がよい。スタイルだって雑誌で見かける一流のモデルのようだ。
一つの完璧な美の形がそこにはあった。
男はしばらく彼女を睨んだ後、腰の剣を抜く。
その男の剣呑な様子に少女は口を開いた。
「なぜ、わたしに剣を向けるのか」と。
男は答えた。
「それは、貴様が■だからだ」